国産材

とってもためになる取っ手と手摺のお話

 

 

この使い方は昔からあったのかどうかよくわからないのですが、ハツリの八角形や六角形を手摺や取っ手に使うのは、自分的にはかなりお気に入りの使い方です。凹凸があると滑りにくいですし、フィット感が良いです。なんとなくハツリ材は和風建築の材料、というイメージが強くて意匠として扱われることが多いですが、それだと見るだけのものになってしまいがちです。ですので、洋風・和風問わずこういう風にダイレクトに手で触って感じてもらえる所に使っていただいた方が自分としては嬉しいです。「触って握って踏んづけることの出来る伝統技術」を目指します。

七角形でも五角形でも作れないことはないですが、いちおう標準的には八角形または六角形になります。八角形と六角形の違いは、

(写真は松 40mm径)

八角形は丸に近いので、握った時に手に馴染みが良いです。

六角形は、やや角が立ちますのでフィット感は八角形に劣ります。一面ごとの大きさは六角形の方が大きいので、見た目は六角形の方がハツリの陰影も出ますので面白いです。ですので「見た目重視の時は六角形・フィット感重視の時には八角形」という使い分けにしておくと良いかと思います。

八角形は円と同じく直径で寸法をみますが、六角形の場合は計る場所で変わってきますので、

このように、尖った先から先までを「山〜山 42mm」という風に表します。

同じものを別のところで計ると、

「平〜平 36mm 」と、なります。少し大きめですが、ドアの取っ手でしたらギュッと握り込むわけではないので、このくらいの寸法で丁度いいくらいです。

 

樹種でいいますと、どういうわけだかスギの赤いところのハツリ材は、非常に手に馴染みがよくてヒタっと吸い付くような感じがあります。

ですのでフィット感を最大限求めるならスギの八角形が一番良いです。ただ、スギは柱や床板・天井まであらゆるところに使われる木ですから、そこにまた手摺がスギだと意匠的にダブついてしまう時もあります。そうした時には、クリなどの広葉樹を使っておけば見た目の変化をつけられます。

(三重県津市 colorful coffee さま入り口)

この場合、外壁板も建具もスギですので取っ手をクリの八角形にすることで、風合いの変化があって面白みが出ています。

広葉樹ですと他に、

ケヤキ

や、色が少し変わったものでは

ウルシ

ライデンボク(チャンチン)なども使用しています。

 

時々、ササクレなどが手に刺さらないかと気にされる方があるのですが、手摺や取っ手の場合

このように、薄手の手袋を滑らせて引っ掛かるところがないか確認してから出荷していますので、それほど心配はいりません(撮影しながら作業していますのでいつも通りではありません。通常ですと、材を回しながらくまなく手を滑らせていきます)

では、マズいところがどうなるかといいますと、

 

このように、布の一部が引っ掛かりますので、こういうところは使いません。

と、なかなか製作に気を使うものなのですが、階段手摺に使用するー場合でも金具で取り付けるだけですし

柱や梁といった大きな建築部材に比べたら、ハツリ材を割と気軽に取り入れることが出来て、なおかつ日常触れることが出来るのでオススメの使い方でもあります。

金具はL字のものと真っ直ぐなものがありますから、用途に応じて使い分けていただければと思います。

 

サンプルご入用の方向けにサンプルセットを販売しています。

 

 

 

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