江戸時代

歌川広重「命図」 10何年ぶりに日経新聞を買った日のこと 2017/10/29

もはや昨年のことになってしまいましたが、10月29日にフェイスブックのお友達から「今日の日経新聞にチョウナのことが載っていますよ」と教えていただきました。お会いしたことは無いのに、こうやって教えてもらえるのって有り難いなぁ、としみじみと。仕事の帰りにコンビニに寄るとまだ売っていましたので一部購入しました。開いてみると、なんとも不思議な絵が……

女の人が二人、「命」という字を、一人は鉋で削り、一人はチョウナでハツっている。意味するところはきっと、「綺麗な女の人にうつつを抜かすと命を削る、削られることになるよ」、というようなことなんだろうと思う。きっと江戸にも、そんな人がたくさんいたんだろうねぇ。粋といえば粋な絵だけれど、男はこういう馬鹿なものだという風刺のトゲも効いている。

大きな大鋸で材木を挽いているところが描かれた浮世絵は見たことあったんですがチョウナが描かれてあったのは初めて見ました。ところが記事の説明はといいますと……

あれま、「クワのような道具を持ち……掘っている」て、間違いではないけど正しくもない微妙な解説がT摩大学教授によってなされている。江戸時代なら庶民でもはっきりとあれはチョウナだと認識出来たものが、現代では大学教授にもわからなくなっているらしい。鉋の削り屑は1mmの何10分の1の厚みしかないけれど、チョウナのハツリ屑は2mmから3mmもある。チョウナの方が鉋より何十倍も破壊力がある、とも言える。そのチョウナが「命」の字の末端、命の末をハツっている、とどめを刺しているのだ。してみると、チョウナを持った女の方がなんとなく年増に見え、体格もしっかりしているように見える。鉋を持った女の方は着物にも帯にも柄が入っているし赤い襦袢まで覗いているが、それに比べチョウナを持った女の方は着物の模様も大人しく華やかなところが無い。これが何を意味するのかは広重氏に聞いてみないとわからないけれど、何かを暗示しているのは間違いなさそうだ。

やがて悲しき命のハツリ屑………。

 

 

 

 

 

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