国産材

外壁板 2018/暑い7月


外壁板のご注文をいただきましたので、杉板で作りました。

ハツリの板の場合は、大きな節があると、出来ないことはないのですが表情がかなり荒々しくなるので、通常は節の無い「無節」か小さい節の入る「上小」の板を使います。今回は「上小」です。

杉の場合、赤い部分と白い部分があって、赤い部分のほうが腐りにくく耐久性もあるのですが、赤い部分だけを厳選すると大変高価になってしまいますので、いわゆる「源平」と呼ばれる白い部分と赤い部分の混ざった材を使います。加工は「ホンザネ」加工です。板と板が合わさるようになっていて、見えない部分で釘止め出来ます。

先にここまでの加工をしてもらってある板を買います。

そして、ハツっていきます。

赤い部分と白い部分の違いは、刃物の切れ具合にも現れて、赤い部分は脂が多いので切れやすく、白い部分は脂が少なくパサパサしやすいので刃物が切れにくくて往生します。

昼間があんまり暑くて仕事にならないので、夜に作業をしました。

 

出来上がった板にまずは墨汁を塗ります。分量は 墨汁 180ml に ベンガラ(朱) 小さじ(5ml) 4杯。墨汁は普通に文房具屋さんで売ってるやつです。墨汁だけだと単一の黒なので色に深みを加えるために朱色のベンガラを入れました。墨汁がドブドブと木地に吸い込まれますので塗料として結構耐久性があるのではないかと思います。また墨汁の原料はススですから、それを木に吸わせることによって焼き杉と同じような防腐・防虫効果も期待出来ます。

墨汁が乾いたら、次に柿渋を塗ります。はじめから柿渋に顔料を混ぜて黒くしたものを塗る方法もあるのですが、柿渋は日光や雨に対してあまり耐久性がないので柿渋が落ちてしまうと色も落ちてしまう。そこで比較的耐久性の強い墨汁を最初に木地に塗っておいてそれを柿渋で保護する、という手法にします。これなら、柿渋だけを時々上塗りしておけば木地に染み込んだ墨汁の黒色は長い期間維持出来るのではないかという目論見です。また、柿渋により色に深みと艶を出す狙いもあります。

柿渋は京都南山城村の「トミヤマ」さんのものです。柿渋は、柿渋:水を1:1で薄めて塗ります。軽量カップを使うと便利です。この場合、柿渋を250ml入れて水を250ml入れて出来上がりです。

柿渋は一度塗って、乾いてからもう一度塗りました。墨汁を吸わせてあっても柿渋も結構中まで浸透した感じです。柿渋が乾くと艶が出ました。

夕陽が当たるとキラキラしました。

この板の左右に付く枠のような見切り材も、同じく杉・源平で作りました。

ミゾの中に板がハマる仕組みになっています。これも最終的には同じ塗り方で仕上げました。

遠くに送ってしまうので、仕上がりが見れないのが残念ですが、この後梱包して運送屋さんにお願いしました。

いつか見に行きたいと思います。

 

柿渋・ベンガラ はこちらの「トミヤマ」さんのサイトで購入出来ます。

https://www.kakishibu.com

 

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コメント

  1. Veгy inteгesting topic, thanks fоr puttіing
    up.

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