キハダの木を引き取りに行ったついでに、染色用の皮を取らせてもらいました。少し皮をめくると、鮮やかな黄色が出てきます。これは漢方薬の原料にもなり、今でも「陀羅尼助(だらにすけ)」という胃腸薬が奈良で作られています。
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http://darasuke.com/daranisukenokigen.html
こんな感じで黄色い成分がいっぱいくっついています。皮を剥く手が黄色くなってしまうほどです。衛生的にどうかと思いますが、舐めると非常にニガいです。キハダで染めると防虫効果があるそうですが、そりゃそうだろうなという気がします。こんだけニガければ虫も喰わないでしょう。
あとは染色家さんに送るだけなのですが、せっかく珍しいものが手に入ったので自分でも少しやってみます。
皮の余分なところをカッターナイフで削ぎ落としていきます。
重さを計ってみたら40gありました。これを水500mlに投入し
煮出します。
20分煮出したら、かなり色が出てきましたので火を止めます。
皮を取り出しました。煮出した当初はもう少し透き通った黄色だったのですが少し濁ってしまいました。煮出し過ぎたのか、それとも皮の余分な成分のせいか、わかりません。小さい破片も取り除いたほうがよいのですが、ま、細かいことは良いではないですか。と、いうわけでまずは名刺用の伊勢和紙を投入
びっくりするぐらいすぐに染まってしまったので、すぐに取り出して干しました。
レモンイエローみたいな感じですね。乾いてみないとわからないですが、なんとなく、これはイケる気がする。
次に白い綿100%の布を投入。これは10分間放置します。
10分間置いたら、かなり布に色がつき、その分染色液の色が薄くなりました。いかにも色素が布に絡みついた感じです。本式ですとこの後「媒染」という色を固着するための工程が入り、媒染剤に何を使うかによって色が変化したりするのですが、ややこしくなるので省略します(メンドクサイことは苦手です)。
染めたものを干して、一晩置くと……
いい感じです!染めた時より少し色が薄くなった程度で、ほぼそのままの色になりました。山桜のように、染めた時点で染色液の色と違う、とか、乾くまでの間に色が変化する、とかのややこしい挙動が無いのがいいです。染色液の色のまんま、素直な感じがサイコーです。これは綿ですが、シルクのような光沢のある生地を染めれば、さぞかしキラキラの仕上がりになることでしょう。
和紙のほうも
ほぼほぼそのままで仕上がってます。レモンイエローみたいな感じです。これも紙の質感によって風合いは変化しそうです。
やり出せばキリがないですから、自分としてこれで満足ですから、あとは専門の方にお送りして役立てていただきます。
(今回の材料)
キハダの皮(黄色いところ) 40g
水 500ml
煮出した時間 20分
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