ここに一冊の本がある……。もう20年も前に買ったもの。ボロボロなので古本で買ったものと思われてしまいそうだけど本屋で偶然見つけて新品で買ったもの。ずっと見ていたのだな。
昭和60年に松下幸之助さんが伊勢神宮に寄贈したお茶室です。施工は京都の名工・中村外二工務店。「伝統精神の高揚を願って」ってそれだけで、こんな何億円もするものをポンっと寄贈出来てしまう松下さんはやっぱり凄い。他にも大阪城や中尊寺などあちこちに茶室を寄贈されていてそのほとんどを中村外二工務店さんが施工されています。神宮茶室はその中でも最大のもので、一度見に行きたいな〜と思っていて、何年か前に見学に行ったのですが雨がよく降る日で見学が中止になってしまっていました。見学期間は年に二度しかないので、なかなか難しいのですが、今回はなんとか都合をつけて行ってきました。
おぉ、本で見たままの建物がある! 本でも見すぎたせいか既視感が凄くて不思議な感じ。ちなみにルートが決まっているので、あまり建物には近付けません。
でも待合は座れるようになっていて〜
おおっ、この曲がった梁は、おそらくは栗六角名栗。
上手にハツってあります。30年くらいの時間で、いい感じになってます。
ここにもあった(^^)。 お茶室には多いね、栗の六角名栗が。こんなのほんと、そんな大木を使わなくても30〜40年の木を使って、それでもこうしてしっかりしたものが出来てるんだから、こういう使い方を考えた人は偉いねぇ。
と、本当はこれも見たかったんだけど……
この栗の濡れ縁のハツリ方がなんとも豪快で、どうなってるのかなぁ〜と現物を是非見たかったが、これは見れず。
この濡れ縁といえば、図面に
こんな風に描いてあって、やたらリアルに名栗が再現されてる。これ描いた人は、ほんとに建築が好きだし、よく知ってる人だよなぁ、と思います。今、こんな図面書ける人いないんじゃないかな。
あとは、そうそう、塀の控え柱にも栗の六角名栗が使われていましたよ〜
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