国産材

水をかけて乾かす 木の乾燥方法について

昨日、奈良県の吉野で杉の板を買ってきました。木は乾燥させてから使わないと、後で反ったり縮んだり割れたりしやすいです。このままでもある程度は乾いているのですが、もう少し乾かさないといけません。

で、水をぶっかけます。

乾かさないといけないのに水をかけるのではデタラメでは? と思われる方もあるかもしれないですが、水をかけるとその水分が乾燥していく時に木の中の水分も一緒に引っ張り出していってくれるので乾燥が進みます。まさに、水で乾かす、のです。そしてまた、木にはアクというものがありますので、水をかけることによってそのアクや余分な脂分を落としてしまいます。水中に漬け込む方法もありますが、大きな池が必要なのと、沈めた材の管理が大変ですので、現実的に難しいです。

だいぶ湿って、いわゆる濡れ色、元の色よりだいぶ濃くなりました。これが乾くと、元の色よりやや薄くなり、より綺麗なピンク色になります。一度だけでも効果がありますが、間を空けて時々行うとより効果的です。

こうして濡らせて乾かすと、板が反ったり、干割れという割れが入ったりして使えない部分が出てくることもあるのですが、この段階で木の癖を出してしまうことによって、製品になってからの木の動きや割れを抑えているわけです。

木の仕事をしようと思うと、木を使えるようになるまでは材料を買ってきた後も色々やらなきゃいけないことがあるんです、というお話でした。

(追記) 3日ほど経った後の板の状態です。少し色が薄くなりました。

水分も少し抜けたようで軽くなっています。

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