木、と一口に言っても色々な状態があります。板や柱のように製材した状態で売られているものもあれば、原木といって皮の付いたままの丸太もあります。
こういうものですね(写真は杉丸太)。山で木を伐って、そのままでは何十メートルもありますから使いやすいように4mや3mといった規格で長さを切ってきたものです。
ここから製材していって、柱や梁であったり、板などにしていくわけですね。ただ、製材したての木は水分をたくさん含んでいますから乾燥させるまで半年とか場合によっては何年もかかりますから、すぐに使いたい場合はずっと前に製材して乾かしておいてあるものを買ってくることになります。材木屋さんには乾いた状態の木が並んでいるわけですから必要な時に必要な分だけ買ってくれば間に合うものではあります。
けれども、原木を仕入れると、そこから何を取るかは自由ですから、出来上がった製品を買ってくるより面白さがあります。使えるのはだいぶ先になってしまうので効率は悪いのですが、時々はやっています。
そんなこんなで仕入れてあった栗の木を製材してゆきます。
製材所の一角を作業場として借りていますので、すぐに挽いてもらえます。賃挽きといって、かかった時間×幾ら というシステムですね。原木の移動距離数十メートル、すぐ近くで挽いてもらえるのはとても有り難いです。ここでなければ、何キロも離れた所までトラックで持って行かないといけません。
五寸五分(165ミリ)角の大きな柱を取ります。だいたいの見当を付けておきます。
製材機で挽いてもらうとあっという間ですね。
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写真だとわかりにくいですけど、挽いたばかりの面は水分でビチャビチャですね。
いろいろ取れました。
柱は「背割り」といって、あらかじめ割目を入れておきます。こうしておいて後で色んな所が割れてくるのを防ぎます。
あと、この割れ目からも水分が抜けていくので乾燥するのが早いです。背割りを入れた方がいいのか入れない方がいいのか、色んな考え方がありますが、入れておいた方がとりあえず扱い易いです。
角が欠けるといけないので面も取っておきます。
背割りにクサビを打って少し広げておきます。乾燥しやすいようにです。
雨が降れば外に出してアク抜きします。
この柱で、使えるのは二、三年後でしょうか。気の長い話です。原木から材木として使えるようになるまで結構が時間かかります。材木の値段には、そういうこと全てが入っていますので、そこそこ高いのは当然なわけで……。材木が高い!て文句つける人は一回自分でやってみたらいいですよ。はっきり言ってメンドくさくて大変ですから。あとですね、この辺りでもたまに見かけますが、設計のセンセがですね、含水計というものを持ってきて材木に当てて「はいこれダメー」とかね含水率が高いからってハネるわけですよ。もうね、そんなこと言うなら自分で先に材料買って2年でも3年でも好きなだけ置いておけばいいんですよ。そのうちには反ったり割れたりして使えないものも出てくるわけですよ。乾いた木が手に入る、っていうのは当たり前の簡単ことではないんですよ。。。そういうセンセの頭に当てて「はいこれダメ〜」ていうセンサーがですね、あるといいんですね。
製材した半月状残り(コワ といいます)
ここからも板を取っていきます
板が取れましたね。このくらいの板なら半年くらいで使えるようになります。
残るのは、こういう部分だけですね。これは薪ストーブの燃料になりますから捨てるところは無いわけですね〜。
以上、原木の製材の様子でした。
まっすぐになりにくい栗の木で立派な柱が取れましたね~。
製材すぐの木材ってこんなに水を含んでいると知ったり、木の世界は深くで魅惑的ですね!
コメントありがとうございます。
真っ直ぐな木は、なかなかないですが、材木市場や森林組合の方にお願いして出してもらっています。大事に使いたいと思います。