表札や看板に使う用のケヤキの板を仕入れてきました。
製材したままの生の木ですので、使う前に乾燥させないといけません。いちおう桟が入っていて隙間が空けてありますが、このまま置いておいては何年経っても乾きませんから、梱包をほどいて水で一枚一枚洗っていきます。
木の表面には木のアクが浮いていますし製材時の木屑が付いていますから、それらを洗い流していきます。
また、こうして濡らしておいた水分が乾く時に木の水分も一緒に外へ出してくれますので、より木が乾きやすくなります。
一度これをしておくだけで、板の色がだいぶ薄くなって表面がサラっとします。
職人仕事というと、どうしても切ったり削ったりといったの部分的な技術の方に目が行きがちですが、こうやって材料の面倒見ることの方が遥かに重要だし、材料が悪ければ小手先の技術なんて全く役に立たない、といつも思います。人間国宝であった黒田辰秋氏が映画監督の黒澤明氏の椅子を製作した時の逸話に、木が乾燥していなかったために発生する割れを薄い板に漆を塗って差し込んで埋めていった、というような話がありますが全く意味がわからない。そういうことが起こらないようにするのが技術の本質であるし本筋離れた話ですよ。乾燥した材料が無いなら仕事をしなきゃいいだけの話です。なんか困難な仕事を納めたみたいなスゴい話みたいに伝わってるのも不思議なもんです、人間国宝なら全部持ち上げなきゃいけないんですかね? バカバカしい話です。
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