特に事前に情報があったわけではないのですが、ここへ行けば何かありそうだという予感だけで鈴鹿市にある考古博物館に行ってみました。
伊勢国分寺跡の脇にある、長閑でいいところでした。
縄文時代からの遺跡が多く出る地域のようです。
やはり、ありましたね。まずは弥生時代の石斧発見!
右は石器のチョウナですね。
大きな石斧で大まかに加工しておいて、小さなチョウナでコツコツと小さくハツって仕上げていったものと思われます。
鉄器のほうに移ると、これは現代で言うところのヤリカンナになるんでしょうか?
チョウナも展示されていました。
一番左の長いのは斧でしょうか、よくわかりません。どこの博物館でもだいたい「鉄斧」と書いてありますね。この段階ではオノとチョウナと区別しないようです。
古墳時代はだいたい3〜6世紀頃のようですから、これらのチョウナはだいたい1500〜1800年ほど前のもののようです。
小さいチョウナには、古代チョウナの特徴である櫃(ひつ)という柄を差し込む部分が巻いて作られている様子がはっきり見てとれます。
古代チョウナを復元したものも同じ作りになっています。
もう一つ、古代チョウナの特徴として、前から見ると刃が丸く湾曲していることがあります。
これについては後で述べます。
二月頃に、こういうニュースが流れていまして…
これも何年か後に鈴鹿市考古博物館で展示されるようですね。「とい」とありますが、排水設備とありますので今で言うところの下水管みたいなものでしょうか。それにしても綺麗にハツってあります。2000年くらい経っているはずなのに保存状態も凄くいいように見えます。たぶん、丸太を半割りして外側はハツって形を整え、中をくり抜いて作ってあるのだと思います。外側の形が凄く整っていますので、丸太をハツったと言ってもデタラメにハツったものではなく、きっちりと線を引いてその通りに加工したものと思われます。それくらいしないと、このような整った形にならないです。
木は丸いようでも真丸ではないですし、真っ直ぐなようでもあちこち出っ張ったり引っ込んだりしています。また、木の外側は腐りやすいですから、丸太を斧でバッサバッサとハツって外側を取り除いてからチョウナで仕上げたものと思われます。刃物もよく切れてますので、たぶん鉄器による加工です。
このハツリ跡をよく見ると、一つ一つのハツリ跡が真ん中が少し窪んでいますので、やはりこういう
湾曲した刃物で加工したのではないかと思います。
現代のチョウナは、前から見ると、
このように、ほぼ真っ直ぐですから、ハツった跡もほぼ真っ直ぐなります。
微妙なところですが、おそらく当時の技術ではそのように作ってあったほうが使いやすかったのだと思います。刃が真っ直ぐですと、材料もある程度真っ直ぐでないと使いにくいですから、凸凹だったりいろいろな材料を扱うには少し湾曲した刃物のほうが有利です。
と、いうことで、またこの排水設備が展示されたら是非見に行きたいと思います。
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