巷で見つけたハツリ跡集

自分の仕事ではありませんが、街を歩いていて見つけた比較的新しいハツリ跡をまとめておきます。割と京都が多いですね。

京都嵐山 ミュージアム李朝

外の濡れ縁に……近付いてみると、

栗の六角名栗の半割りが上手く使ってありました。

中に入ると……

栗の板。

それと、

ケヤキの板が上手く取り入れてありました。

嵐山の観光地ですが、それほど観光客が来ないので静かに鑑賞出来ます。

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町家の外格子

嵐山の酒屋さんで見つけました。

六角名栗の細めの柱を立てて、横に貫を通す定番的なものですが、最近のものはカンナやノミで削った代用品で済ませてあることが殆どなので、あえてチョウナのハツリものを持ってきたあたりに家主の見識の高さがうかがわれるのです。

 

 

京都東山あたり

何気に張ってある板に凹凸が、と思って近寄ると、

栗の板がハツってありますね。これぞ名栗、という亀甲模様。和釘で留める徹底ぶり。おそらくは油で溶いたベンガラ塗りのものが年月で色褪せて渋い風合いになっています。

この辺りは、少し歩くとすぐにハツリ跡に出会えます。

北山杉の磨き丸太を四面ハツって四角くして四隅には磨き丸太の皮を残したもの。名栗面皮、とも呼ばれるものですね。

建具の桟にまで。こうして見てくると、どれもこれも別にハツってなくても全然オッケーな部材ばかり。建築としてはハツリ無しでも充分成り立ってしまう。それでも、どうしてもハツってないといけない、どうにかして建物を面白くしようという執念の賜物なのだ。

 

南禅寺界隈

南禅寺の界隈は昔から錚々たる方々の別荘地として知られていたので、今でも独特の雰囲気を持っています。

塀にまで!

これも、それほど古いものには見えず、ここ10年くらいの仕事のようですが、今でもここまでの仕事を求める方がいるのに驚きます。出来てしまうと何でもないものですが、栗の木を贅沢に使って非常に手間がかかっています。

有名な湯豆腐屋さんの入り口なのですが、たまたま定休日で門が閉じていましたので、柱・梁・門戸の板までもが栗の木をハツったもので構成されているのがよくわかりました。こう柱や梁が凸凹ですと、お互いの取り付けの仕事も非常に難しくなるのですが、問答無用ですね。

どこまでもハツってないと気が済まない、執念を感じます。

このような何でもない車止めにまで、

この部材がハツってあってなくても車止めとしては成り立ってしまうわけで……ひとたび何かを作るなら少しでもカッコの良いもの面白いものにしてしまわなければ気が済まない、という心意気を感じます。

 

↓もっと古いハツリ跡の実例集は、こちら

 

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