揚輝荘 大正から昭和初期 松坂屋の初代社長の別邸
外観は丸太と赤い壁で、なんだかカワイイ感じ。
しかし、この入り口を入ると、めくりめくハツリワールド、ハツリの底無し沼が……
入るとすぐ、いきなり異様に分厚い一枚板の扉がっ。しかも、よほどのハツリマニアでも一瞬引いてしまうくらいの荒々しい表面が。
もう「えぇ〜」て思わず声に出てしまうくらいボコボコやん〜
材はケヤキ、だろうか、もうアホみたいにドツき倒してあります。逆目、ちゅうより裂け目です。お構いなしです。今でこそ時代がついてますけど、新築当初はどエライ衝撃的な、わ〜コイツやりおった〜くらいのもんだったと思います。新品の時に見て見たかったです。
もう玄関扉だけでカレーライス大盛り二杯分くらいの満腹感ですけど、建物の中には、あるわあるわ、ハツリのてんこ盛り状態です。
柱も梁も、これでもかっ、ちゅうくらいハツってあります。
わっ、なんか恐ろしいものが視界に入った。柱と腰板が、腰板が、普通じゃない。
もう、誰がここまでせいって言うたんや〜〜
材料は、これタモの木に色を付けたものだろうか。
二階へ上がろうと階段に近付くと。
離れたところから見ても、もうただならぬ雰囲気だ。照明で凸凹の陰影が浮かび上がっている。
柱から始まって〜
手摺もゴツゴツと
抜群のグリップ
二階に上がると洋間の天井周り
和室の天井周り
どんだけ好きなんや、くらいの勢いでハツリが入ってくる。
窓辺の飾り棚の板もパッと見は普通の板だけど
角だけでもハツっておかないと気が済まないらしい。いちいち芸が細かいっ。
3階には行けないのだけど、見上げると
あんなとこまで、こんなとこまで
もう平らな部材では満足出来なくなっているハツリ中毒である。ハツリの作り出す陰影に取り憑かれている。陰翳礼讃、ならぬ、陰影礼賛の世界がここにあった。
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