段差のあるところ用の短い手摺を作りました。こういう場合は、栗の木を八角形に先に形を作っておいてハツっていきます。
栗の木の場合は、これで終わりではなく、栗の木はタンニン分が多くて、そのタンニン分と刃物の鉄が反応して黒くなります。
写真ではわかりにくいのですが、刃物の当たった部分が黒ずんでいます。これを綺麗にしないといけません。これを、アク洗い、と呼びます。
石灰の粉を用意して……(石灰はホームセンターでなどで農業用に売られているもので大丈夫です)
これを水に溶きます。量は目分量で大丈夫です。
このアルカリ性の液で拭くと、アルカリ反応によって黒ずみが消えます。
布をこの石灰水液を浸して拭いていきます。
栗の木のアクが布に付きます。
黒ずみが取れましたので、あとは乾かせば終了です。理屈としてはクリーナーなどでも黒ずみは取れますが、アルカリ性の石灰を使うのは、アク洗いが終わった後でも、アルカリの力のおかげで栗の木のいい色合いがジワジワ出てくるからです。これは放っておいても年月で出てくるものですが、石灰を使うと早くいい色になりますので昔から使われてきた方法です。栗の他、クワ、キハダなどにも使われる方法です。年月が経って渋い色になったような味わいが早く出ます。色が濃くなって汚れも目立ちにくいです。セメントを使う方もありますし、本にそのような方法が紹介されていることもありますが、私はセメントは使いません。セメントも主成分は石灰ですが、現在のセメントは色々な化学物質が含まれてるいる上に下水汚泥まで含まれていて、こうした用途にはあまりいいものではありません。セメントに下水汚泥が含まれているのは、別に隠された事実とかではなく、セメント各社が「エコな取り組み」として自ら宣伝していることです。ホームページなどでも確認出来ます。建物の清掃を専門とする「洗い屋」さんが、原料に下水汚泥を含むセメントをアク洗いに使用するのは、私には全く理解出来ないことです。
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