作例

スギの式台を出荷しました。

少し前のことになってしまいましたが、杉の式台用の板を出荷しました。

式台、というのは……

玄関で、このように土間と床板の高さに差がある時に付ける板、です。ある程度幅が広くないと上り下りがしにくいですし見栄えもしないので、少なくとも40cmくらいの幅が必要です。もっと広くてもいいのですが、幅の広い一枚板というのは高価なものですので、贅沢なものになってしまいます。それで、一枚板の代わりに安価な集成材にベニヤを貼り付けたものや外国からの安い輸入材が使われていることも多いです。立派なお宅であっても、貼りものや「アフリカケヤキ」など胡散臭い名前の木が使われていることがあって、見るとガッカリします。

ただ、これも木の使い方の問題で、

このように板を横に使われるのが普通なので、あくまでその方法で通そうとすると幅の広い板が必要になってきますが、

こういう風に板を並べると、それほど幅の広い板でなくても使えますし、十分な踏み幅を確保できますので上り下りがしやすいです。板の幅が狭くてよければお値段的にも押さえられるわけです。貼りものや輸入材に頼らなくても、機能的にも見た目的にも十分なものが作れます。どうも建築の分野では、これはこういうもの、という思い込みのせいで無駄に損してることが多いように思います。幅の広い板が必要→高い→安い外材や貼りものを使う、という図式です。

この二枚の板も、幅が38cmと40cmとまちまちですが、幅が違っていても全然問題ありません。一枚板として使うとそれほど広くない板でも、縦に並べる使い方なら十分に役立ちます。

一枚板でドド〜んと豪華に、みたいな価値観が流行るのもわからないでもないですが、予算が無いのにその形だけ残そうとすると、安いものや紛い物に頼らざるを得ないわけで、もうそういう時代じゃないだろう、と。

Small is beautiful な材の使い方を、これからも提案していきたいと思います。

 

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