この宿のかたはらに、大きなる栗の木の木陰を頼みて、世をいとふ僧あり。橡(とち)拾う太山(みやま)もかくやとしづかにおぼえられて、ものに書き付けはべる、その詞、
栗という文字は、西の木と書きて、西方浄土に便りありと、行基菩薩の一生杖にも柱にもこの木を用ゐたまふとかや。
世の人の 見つけぬ花や 軒の栗
松尾芭蕉「奥の細道」〜須賀川〜
このお話がずっと気になっておりまして…。よく調べると、行基菩薩というのは芭蕉さんの勘違いで実際は法然上人のことだそうだったりするそうですが…
ともあれ、栗の花を見たことがある方ならなんとなく想像出来ると思うのですが、あの花のパッとしない簡素さ、そこになぞらえられる隠棲の僧の暮らし、渋い…渋すぎる。。
そして、普段「栗」と書いても全く気づかなかった「西の木」、そこから西方浄土にゆかりがあると繋がっていくあたり、はじめて読んだ時はハッとしました。
それから栗の木の杖を製品化してみたいなぁと考えていたのですが、材料の感覚がつかめてきましたので、八角形で製作してみました。栗の木は国内産の木材のうちでは最も耐久性の高い木ですから、水にも強く長持ちしてくれると思います。
木の杖の場合、どうしても先端が減りやすいですから、市販のゴムキャップを被せてあります。
長さは1mを標準にしていますが、ご希望により短くカットすることもできます。
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